龍―RON―(8)
野上球子の子供を預かったていは、五人の子供を抱え生活に困っていた。
そんなとき、突然訪ねてきた球子の夫に世話してもらい、映画撮影所の食堂で働くことになる。
撮影所の食堂で働き始めたていは、スター女優の入沢たき子が台本の読み合わせをしているのを見ていたところ…。
初めて準主役を与えられたていは、脚本に疑問を抱いていた。
監督から三日間の猶予を与えられ、演技プランを練るてい。
そのような新人らしからぬ行為は、撮影所内で不評を買いかねない。
ていはそれに演技で答えることが出来るのか!?入沢たき子のプロダクションに入ったていは、入沢邸に住み込むことになった。
女優のイメージ作りを最優先するたき子は、ていを龍から遠ざけようとする。
その頃龍は、祇園に戻っている小鈴の家の前を通りかかり、家に上がって話をしていた。
溝田の映画で娼婦の役を演じているていは、悩んでいたシーンで完璧な演技を見せ、監督の絶賛を浴びた。
女優の仕事に今までにない充実感を得るてい。
一方、四国に向かった龍は、砂金採りは果たしたものの、依然、金鉱を見つけ出せずにいた。
今度の役、華族令嬢の役作りのため、入沢と東京の高級店で買物をして歩くてい。
華族の出の入沢は、逆に役作りのために新聞の売り子をはじめる。
入沢の付き人・関根はそれを快く思わず、レストランにていを残したまま、財布を持って店を出てしまう。
困ったていは…。
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